結果よりプロセス。

  • 2008/08/18(月) 18:19

北京オリンピックも佳境に入ってきました。「結果よりプロセスが大事」という言葉をむやみに使うのは好きではないんですが、オリンピック選手の集中力と気迫に満ちた顔つきを見ていると「勝っても負けても頑張ったからよし!」という気持ちになります。

スポーツは「最も速い(or 強い、美しい)」世界記録に注目が集まりますが、オリンピック男子マラソンの「遅い」世界記録は日本人選手のもので、かかったタイムは54年8ヶ月6日5時間32分20秒3だそうです。
1912年のストックホルムオリンピックのとき、気温40度という記録的な猛暑の中で男子マラソンが開催され、途中棄権する選手が続出したのですが、同じく棄権した日本人の金栗四三(かなぐりしそう)選手の棄権の一報がうまく伝わっておらず、「レース中に失踪して行方不明になった」という扱いになっていたとのこと。

ストックホルムオリンピック開催55周年の記念式典が開催されることになった1967年、事務局がその事実に気づき、事務局から金栗選手のところに「ゴールしに来てください」と招待状が届き、同年3月、招待された金栗選手はストックホルムの陸上競技場に用意されたゴールラインをバンザイしながら通過。ここでストックホルムオリンピックの閉会が正式に宣言され、54年8ヶ月…という金栗選手のタイムが公式記録として認定されたそうです。

ゴールの瞬間。このとき金栗選手は75歳でした
金栗四三

晩年の金栗選手。1984年に93歳で逝去。熊本県玉名市の名誉市民だそうです
金栗四三

金栗選手はゴール後のスピーチで「長い道のりでした。この間に孫が5人できました」とコメントして出席者の笑いを誘ったそうです。0.01秒のしのぎを削るレースもおもしろいですが、この絶対に破られることのないであろうタイムが公式記録になるあたり、なんかのんびりしてていいなあと思います。これはまさに「結果よりプロセス」。北京オリンピックの全競技終了まであと少し、どんなドラマが待ち受けているでしょうか。

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